パリのシューケット

パリでしたいこと。
大人になってからパリに2年間の留学をしていたラボのFUMINA。
偶然にも日本でパリっ子のフランソワと出会う。
今、パリに帰ったらしたいこと、書いてみる。

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フランソワは、日本では結構珍しいパリっ子です。

パリ出身だと良いことがいっぱいあるかといえばそうでもない。

東京で初対面のフランス人たちが集うと、挨拶がわりに大抵パリの悪口が始まり、最後にフランソワが一言、僕はパリ出身だけどね、と地方出身のフランス人を黙らせるパターンの話を何度聞いたことか。

デパートの物産展、フランス展に出向けば、フランスの地方から売り子に来ているフランス人から、嫌な顔をされる。中には、睨み付けるフランス人も。フランス人たちが、フランソワをパリジャンだとすぐに見分けがつくのもすごいけど、パリに対する嫉妬というか、嫌われているのがあからさま。私、1人の時とは大違い。フランソワを見るなり笑顔がすっと消えちゃうムッシューたち。

フランソワは、たまたまパリっ子だけど、地方のことだって大好きだし、リスペクトしているのに…というかフランソワはフランソワ だし。もしかしたら、フランソワが地方出身だったら、売り子に来ているフランス人たちの様子は気づけなかったかも。
そのフランス人たちの様子を見て、もうデパートのフランス展に行くのはやめた。

唯一、フランソワの生まれ育った7区にある、フロマージュリー(チーズやさん)キャトル・オムだけは、パリっ子の男の子が売り子にいて、たくさん試食させてくれて、気持ちよく販売してくれたのを今でも感謝している。フランソワが小さい頃から慣れ親しんだ、ここのフロマージュリーは本当におすすめ。

そんなわけで、フランソワとフランスを楽しむのは、やっぱり地元、パリ。日本にいるから忘れがちだけど、フランスに帰ると、彼はフランス人になる。中身はフランソワそのものだけど、自分の母国語を私以外の誰かと話すフランソワは、なんかちょっと違う。

家族と話す時。
幼なじみと話す時。
カフェやレストランの時。

うまく言葉で言い表せないが、それは飛行機、エールフランスに乗った瞬間から始まる。

この人、フランス人だったんだなあと、しみじみ思う。
でも今は、日本国外へ出ると戻って来れなくなっちゃうから、帰るのが難しい。

日本で気軽にフランスを味わえるのは、やっぱりロブション。
フランソワも恵比寿や六本木で気兼ねなく立ち寄れる唯一の場所。

ついこの前、ロブションのシューケットが手に入ったので、2人でカフェタイム。

300円くらいで買えた

シューケットとは、フランスのブーランジュリー(パン屋さん)で売られている、紙袋に入った、シュークリームのシュー(一口サイズ)だけを、パールシュガーでまぶした、とてもシンプルなおやつ。
私もパリ滞在中、よくこのシューケットを買って、焼き立てをパクパクぽいぽい食べていた。

ロブションのシューケットはよく出来すぎていて、これはこれで、とぉっても美味しいし大好きだけど、フランスのパン屋さんで買うのはもっと素朴で、紙袋が湿ってしまっている、すぐに食べないと、味気なくなってしまう、地元っ子の味。それがシューケット。

このシューケットを見ると、フランソワは小さい頃に、ママンが仕事から帰ってくると、手に持っている小さな紙袋を見つけて、目を輝かせたそうです。

そんな小さい頃のフランソワを想像すると、
フランスのシューケット、食べたくなるなあ。

パリに帰ったらしたいこと。

FUMINA

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