La Cuisine Alsacienne vol.2

先週はタルトフランベの話、今週はアルザスと言ったら、、寒い冬に食べる肉肉料理、シュークルート!そして、ベッコフ!!ちょっと今の季節じゃないけど…

コルマールのレストランにて

La Choucroute garnie または La Choucroute Alsacienne と言われるこちらの料理、元はドイツ語のSauerKrautザゥワークラウトから来たもの。意味は酸っぱいキャベツ、調べてみたら、シュークルートの語源はドイツ語のザゥワークラウトをアルザス語でSurkrut スュールラウト、その音をフランス語のChou Croute シュークルートへ当て字変換したものらしいです!キャベツ=chou なので、それに当てはめたようで。なんとも面白い。

意味的には千切りにしたキャベツが発酵されて酸っぱくなったものに、お肉の付け合わせ、というお料理。本来なら上の写真の様に豚の背脂やきちんと燻製した豚肉、もも肉、ソーセージと一緒にジャガイモも丸まんま、どーん、と厚手のお鍋で弱火でじっくり煮込む。

冬場、フランス人も好きな一品らしいけど、家で作るには腰を上げないといけないみたい。なので、ここは簡単シュークルート“風” なレシピを。

レシピはこちら
ソーセージは後から入れてね
早めに入れるとこのように裂けちゃいます

あくまでも “風” だけど、ちょっと太めな美味しそうなソーセージを入れたり、あればジンに使われるジュニパーベリーの実を入れ、最後にアルザスワインをドボドボっと入れてしまうとグッと本物っぽくなりますよ。

ジュニパーベリーの実
フランス語ではジュニエーブル

シュークルートにも色々種類があるらしく、

⁃ La Strasbourgeoise ストラスブール風、ガチョウの脂を使い、ストラスブールソーセージや燻製した豚肉、色々お肉を入れたもの

⁃ La Royal アルザスのスパークリングワインを使ったもの。

⁃ La choucroute de la mer 白身魚を使ったもの

⁃ La choucroute au homard オマール海老入り

⁃ La choucroute à l’oie rôtie クリスマス用に作られるガチョウのローストが入ったもの

など、魚や海老を使ったりとバリエーション豊かにあるみたい

次に同じく冬の肉肉料理、ベッコフ、Baeckoffe これはストラスブールのあるBas-Rhein県の郷土料理でパン屋さんのかまど、という意味です。豚、牛、羊の肉とじゃがいもをはじめ野菜をアルザス陶器、スフレンハイム焼きの大きなポットに入れて蓋をしてオーブンに3時間くらい入れて出来上がる Pot Alsacien、アルザスではBaeckoffe (ベッコフ) 日本でいうと、肉じゃがみたいな感じで、こちらもやはりアルザスワインをドボドボっと入れて煮込むもの。シュークルートとの違いは、酢漬けのキャベツ。代わりにネギやにんじんが入る。

Baeckoffeベッコフ

パン屋のかまど、と言われるのは、その昔、アルザスに住むユダヤ教徒の人達が、宗教上、金、土曜日に火が使えないので、ユダヤ教徒以外のパン屋さんに鍋を預け、作ってもらった肉料理から伝わって、キリスト教の人も毎週日曜日の教会ミサの前に準備した具材を入れた鍋や陶器の入れ物をパン屋に預け、パン屋の主人は余ったパン生地を伸ばしたもので、しっかり隙間なく蓋と入れ物を密閉し、パンを焼いた余熱の残っているかまどに入れて、店でじっくり3時間続くミサの間に火を通して、持ち帰ってお昼のごちそうとして食べていたという話。そしてお肉が必ず豚、羊、牛が入るのもこれは宗教的な意味、豚→プロテスタント、牛→カトリック、羊→ユダヤ教があるそうです

実はアルザス地方はユダヤ教徒、ユダヤ人の歴史がヨーロッパの中でも最も古い。18世紀にはフランスに住むユダヤ人の半数以上がアルザスに、共同体を作っていたそう。第二次世界大戦のホロコースト大虐殺以降、今は都市部、パリなどにユダヤ教徒の人も行ってしまったので、墓地のみ70カ所あるそうです。昨年ニュースで見たけれど、この墓地を荒らすヘイトクライムがあり、マクロン大統領はヘイトクライム対策本部をたて、声明を出しました。ヨーロッパ最大フランスはユダヤ人社会、イスラム人社会を有するのでヘイトクライムには敏感なんですね。

郷土料理を知ることは、その背景の文化、歴史だったりを知ることができて本当面白い。食べるときに色々思いながら味を楽しめる

この二つのお料理はワイン産地ならではの贅沢にワインを使った煮込みはブルゴーニュ地方の郷土料理、ブッフブルギニヨン、牛肉の赤ワイン煮込み、の白ワインバージョンみたい

他にも仔牛肉とチキンのクリーム煮込みのBouchée à la reine 、やはり北のお料理はこの手の煮込み物が多いこと!名前が違うだけで、ベルギーやスイスにも同じようなクリーム煮込みがあります

とにかくお肉の煮込みが多く、寒い冬を越すためのアルザス料理、です。でもカエルも川魚もライン川が近いからか有名なんですよ!カエル…鶏肉みたいです、はい、でも一回で私は大丈夫です…

フォアグラもフランス国内では南西部アキテーヌやピレネー地方産かアルザス産かと、2大フォアグラの地、とされています。味比べを実際にしたことはないけれど。

皆様いつかアルザスに行くチャンスがあったら、是非是非美味しいアルザスワインとこの郷土料理を楽しんで!

Bonne choucroute à tous??

MAMICO

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